シンギュラリティは既に起きている。ALife研究者・池上高志が語る「過剰性と生命」

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インタビュー・執筆:

人工知能が急速な発展を遂げている。その事実を目の当たりにするいま、私たちが考えるべきことは何だろうか? 人間の仕事の行方、社会インフラの変化、知性や創造性...、第2・第3の「知能」の誕生を前に様々な議論が飛び交う中、「Beyond AI(人工知能を超えて)」を契機にさらに広い眼差しで未来を想像するのが、複雑系科学者池上高志の志向する「ALife(人工生命)」だ。アートサイエンス学科「箱舟教室」で池上が語った、機械と共存していく未来とは?


私の研究は「人工生命(ALife:Artificial Life)、生命を人工的につくりだそうとする試みです。

昨今は人工知能(Artificial intelligence)が急速に発展していますが、ALifeが目指すべきは「Beyond AI」だと考えています。私は人間と同等かそれ以上の知性を持つ「汎用的なAI(AGI)」をつくろうとするよりも、人工生命の実現こそを目指すべきだと考えています。仮に人工的な知性をつくれたとしても、そこに「意識」や「生命」が生じるとは限らない。しかし私たち人間がそうであるように、生命という「器」をまず先につくることができれば、そこには自ずと知性や意識が生じてくると考えられるからです。...continue to read